男時々女~ありさの日記~

男に生まれ、物心ついた時にはすでに性の違和感を感じ・・・でも、それはとってもおかしな事、決して表沙汰には出来ない事だっていう世間体みたいなものは小さな子供でも理解出来た。だからひた隠しにしてそんな暗黒の時代を生きてきました。
そして、姓の多様性が認知されつつある今・・・でも、わたしにとっては時すでに遅し。歳をとってしまいました。
今さら・・・でも、でもあきらめきれない><
そんなありさおばさんの「男時々女」の日記です。

第10話 お出かけ(その1)

やっぱり写真貼らないとインパクトないですよね。


こんばんわ~!

ありさです^^


以前、出来れば文章だけで表現したいけど、文才が~><

なんて事を書きましたが

いまいち、写真の意義ってのがよく判っていなかったんです。


というのも

自分の姿を見てうっとりとか、興奮とかw

そいうのが、ありさは全然ないんですよね~。


確かに、かわいいブラとか、セクシーなパンティーとか

タイトなミニスカートとか、ふわふわのセーターとか


男性には無縁な、女性だからこそ楽しめる様々なファッションシーンには憧れるし

着けてみたい、着てみたいってすごく思います。


着てみたいとは思うんだけど、実際に着けてみて、着てみて、鏡の前で自分の姿にうっとり!

ってことにはならないんです。


勿論、鏡の前には立ちます。

でもそれは、あくまでもおかしなところがないか点検したり

ありさに似合ってるのかどうかの確認のため、に過ぎませんでした。


でも、東京でプロの手を借りてありさに変身し

女性としての様々な仕草やポーズを教えてもらって京都まで帰って来て


ありさって、いったいどういう風に人から見られてるんだろう・・

女性で通せたかな~・・・


って事が、すごく気になり


そう言えば、ブログで写真を貼る人が多いけど、その理由のひとつが


どーお?あたし似合ってる?

ちゃんと女してる?


と、読者に判定と言うか評価してもらう為なんだ!

と、やっとこさ気付いたのですw


やっぱ、ありさも見てもらわなきゃだw

となると・・・

写真か~・・・

自撮りするわけだよね~・・・

ありさ、自撮り用のカメラなんて持ってないしな~・・・

(注 スマホはキーボード付きのタブレット(z4)を使い、電話はガラ携を使っているんです)

よし!決めた買っちゃお!!


ってことで、仕事がお休みだった今日、買いに行ってきました!


しかも!

家族が夜まで不在!

となればやるっきゃない><


ありさに変身してお買い物してきました!

(帰りののぞみの一件以来、妙にふっ切れモードのありさですw)


次回は、その、お出かけの様子についてです!

乞う、御期待^^

(残念ながら、まだ写真はありませんがw)

第9話 動揺の行き着いた先

東京大冒険から、早や3週間経っちゃいました。

でも、すべてと言っていいくらいはっきりと覚えています。


経験した様々な出来事

刹那刹那のありさの気持ちの移ろい

仕草に至るまで・・・


本当に素敵で、いとおしい時でした。


それが、もはや想い出になりつつあるなんて><


このまま想い出にしちゃっていいの?



こんにちわ。

ありさです^^


あれから動揺著しいんです。

と言うのが


外人さんだったけど、初めてまったくの第3者と、女性として長時間(と言っても2時間余りですが)交流する事となり

女性としての自分を客観的に見つめることが出来て・・・そして


そして、行き着いた思いは

やっぱあたし女の方がしっくりくる。

と言う、自分にとっては長年、暗に避け続けて来たと言うか、お茶を濁して来た結論でした。


だって、ずっと男として生きて来て、妻をめとり、家族を持ち、ちっぽけながら社会的地位もあり

一般的に言う社会的責任のある立場にある男として人生の多くを全うし、それはそれでそれなりにw満足しているからで


でも・・・

でも!


やっぱわたしは女だったんだって、今更w


今更ながらとても動揺しています><


解決策はこれしかないと思います。

カミングアウト・・・


でも、カミングアウトすることによって、多方面に波及するであろうダメージの深刻さは、火を見るよりも明らかだと思います。


わたしには、それに撃ち勝つ勇気なんかありません。


じゃ~どうするのか・・・



このまま隠し続けていくしかないのではと思っています。


でも、それならそれで、これからは

ささやかでもかまわない

つかの間でもいい


本来のわたし「ありさ」に戻れる時間を大切にしていくしかないと思います。


ごめんなさい。


こんな憂鬱な日記は2度と書かないようにします。


でも、書き留めることで、自分の向く方向を整理したかった><



ってことで!

次回からは、そんなつかの間のありさの日記を楽しく書いていきたいと思っています。

第8話 ただの女

そう言えば・・・

ありさに変身中、チェンジストさんから

「ありささんって男の人が好き?それとも女性?」

と尋ねられて

「本性を隠して、無理矢理野郎で育った若い頃だったけど、やっぱ女性が好きだったな~。

でも、一般的に男が女を好きになるのとは違って、俺も本当なら、あんな女性みたいにお洒落して、着飾ってとか言う風な目で

いつも女性ばかり見てましたね。」

と答えると

「それってビアンじゃないの!だって男としてじゃなくて女の目線で女性に憧れてたわけでしょ!

で、今もそうなの?」


俺がビアン???


「いや、ビアンって言われてもピンともシャンともこないけど、今でもそういう目で女性は見てますよ。ただ・・・」


「ただ?何?」


結局、男性として生き、女性と結婚して、子供も出来て、平凡だけど幸せな家庭を持てたってことは

女として生きられなかった、筋違いな人生を歩んでしまったって意味での大きな悔いはあっても

これでよかったんだ・・・男でよかったんだと、今は思っています。


けどね・・・変身が手軽に楽しめるようになった今

ありさにチェンジするたびに強くなる思い・・・

それがチェンジストさんへの答えでした。


「ありさとしては、やっぱ女性として、男性に愛されたいし、愛したいです。」


こんにちわ~!

ありさです^^


さ!東京大冒険の締めですよ~!!

でわでわさっそく^^



自宅に帰り着いた時には、すでに午前1時を少し回っていた。

誰もいない家に上がって、明かりを点けソファーに座る。


終わった・・・

ありさの大冒険・・・終わっちゃった。


沢山の出来事が、すでに想い出となって頭の中を駆け巡る。

あ~・・・少しでも長く、このまま、ありさのままでいたい><


でも

明日・・・てか今日は朝から仕事w

ゆっくりしているわけにもいかない。


お風呂を沸かしに行き、風呂場の鏡の前で・・・立ち尽くした。


この姿で東京から帰ってきたのだ!

鏡に映るありさ・・・


あ~・・・ずっとこのままでいたい><

女でいたい><

でも、それは・・・出来るはずもない事。


なんて切ないんだろ・・・

涙がとめどもなく頬をつたった・・・


そんな思いを、ありさは断腸の思いで断ち切って、ありさの衣装を脱いだ。



チェンジストさんがやってくれた魔法のテーピングやメイク(特にアイメイク!)の技を盗むつもりでいたのに

結局、メイクを落とす時、悲しくって悲しくって、とてもそんな気にはなれず

お風呂に入ってさっさと落としてしまった。(う~~~~もったいない><)


ありさは去り、俺は野郎に戻った。



今回の東京大冒険で俺は大きな発見をひとつした。


それは

女を、ありさを装うんじゃなくて

ごくごく当たり前に、ありさは女なんだってこと。


女になりきる!女してる!ってのもぜんぜん違う。


オーストラリア人のジェシカとお話に夢中になっていた時

ありさはただただ女だった・・・


片隅に残っていた、野郎としての俺は跡形もなく消え失せて


ありさは普通に・・・


ただの女だった。